韓国・農心の一部即席ラーメン製品から発がん性物質「ベンゾピレン」が検出された問題で、商品の回収措置を講じていた台湾の衛生当局はこのほど、「人体に害はない」とする見解を公式サイトなどで公表した。「回収」は、韓国や日本などでも実施されている。
問題となった農心のノグリラーメンなど2製品について、台湾の行政院衛生署(厚生労働省に相当)は2012年11月5日、検査の結果、微量のベンゾピレンは検出されたが、これは加熱過程で自然に生成されるものであり、国際基準などに照らしても人体には害がないとの見解を明らかにした。現地や韓国のメディアも、発表された見解を報じている
厚労省は10月26日付で自主回収の指導文書
韓国では、食品分野の大学教授らが、当局の回収判断について批判の声を挙げる動きも出ている。「朝鮮日報」日本版ウェブサイトの記事(10月30日配信)によると、ソウル大のイ・ヒョンジュ教授らからなる韓国食品安全院は10月29日、「(当局が)科学的根拠がないまま回収させた」「非常に性急な対応だった」と批判する意見書を発表した。
日本では、厚生労働省が10月26日付で、関係自治体に当該製品の自主回収を指導する文書を送った。「韓国内で回収を行っていることを踏まえて」としている。J-CASTニュースが11月8日、厚労省に確認すると、指導文書を送った以降、新たな指導・依頼はしていないという。ある担当者は「健康に与える影響はないとみている」との見方を示した。