「反政府的なメッセージ」を警戒
今回の規制は、第18回中国共産党大会(11月8日開幕)に向けた対策で、規制はネットだけではない。New York Timesによると、この期間、反体制派人物は自宅に監禁されたり、北京から遠くへ「旅行」にいくように仕向けられたりしているという。商店の棚からは包丁が消えたというので、本当かと思ってイトーヨーカドーに行って探したが、確かにがない。店員さんに包丁はと聞いたところ、鍵つきの棚にしまわれていて、そこからものものしく出して見せてくれた。買わなくて、申し訳ない……。
風船、伝書鳩、リモコン式おもちゃの飛行機、ピンポン玉などの「空を飛ぶもの」は、「反政府的なメッセージを運ぶ可能性がある」ものとして、怪しいものリストに挙げられているとのことで、この時期、うっかり風船をもって外に出ることもできない。
北京のタクシー運転手は、座席の窓が開けられないよう窓を開閉する手動ハンドルをはずすよう命じられているという。乗客が窓から反政府メッセージをつけた風船を飛ばしたり、反政府スローガンを書いたピンポン玉を投げたりするのを防ぐためだという。
今週になって、自宅のインターネットへのアクセスは改善され、メールが使えるようになったが、郊外に住む知人はもう1週間、超スローでGmailが開けられないと嘆いている。共産党大会が終わる11月14日ごろまで、ネットの規制がさらに強化された「封網」状態となり、場合によって電話も通じにくくなる可能性があるとの報道もある。
この時期、万一中国のお友達からメールも電話もなくても、どうか絶交しないでほしい。
小林真理子