「ただの砂糖」が極上スイーツに 伝統製法が光る「和三盆糖」

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   四国の徳島や香川で作られる伝統的な高級砂糖の「和三盆糖」。和菓子などに用いられ、「和三盆使用」を謳(うた)い文句にした菓子などをわりとよく見るが、純粋なる本物の「和三盆」を味わったという人は、そんなに多くないのではないだろうか。筆者もその一人であるからして、この度は一度、和三盆を本格的に味わってみようと思い立ったものである。

「竹糖」は徳島と香川でのみ、よく育った

   そこで今回は、「阿波和三盆糖」で名を馳せる徳島の岡田製糖所から、和三盆糖3種類の少量セット「和三盆糖詰合せ」(1700円)を取り寄せてみた。3種類の内訳は、和三盆糖を調理用としてそのまま袋詰めしたもの、製造の際にできた固まりの「霰糖(あられ)」、紙で包むなどした「型物(干菓子)」である。いずれも原料は和三盆のみと、純粋な和三盆尽くしだ。

熟練の技で生みだされる和三盆糖
熟練の技で生みだされる和三盆糖

   この和三盆の原材料となるのは、「竹糖」というサトウキビだ。江戸幕府の徳川吉宗将軍の頃から、サトウキビが全国的に栽培されるようになったが、この竹糖という珍しい品種は徳島と香川でのみ、よく育ったという。

   和三盆の真髄は、この竹糖に加えて、「研ぎ」という精製技法だとされている。職人の手作業で、糖蜜が含まれた白下糖に水をかけながら練っていき、糖蜜と水を抜いて、純度を高める。その塩梅たるや大変に幽玄なもので、熟練の極めが必要だ。これは現代の砂糖の精製法としては効率が悪く、不十分だが、そのおかげで黄色みがかった色や独特の風味が生じるという。今もこの古い手法を守っている所は、岡田製糖所をはじめわずかしかないそうだ。

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