「夜の虹」追う旅から生まれた 自然写真家「高砂淳二」の不思議な体験

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   ハワイでは古来、「夜の虹は最高の祝福」で、「見た人にとって大きな変化の前触れ」と言われてきたそうだ。この本は、日本を代表する自然写真家の高砂淳二さんが、ハワイで偶然「夜の虹」を目にしたことから始まる「大きな変化」を綴ったフォトエッセイ集だ。

パイロットらが「OH MY GOD!」

『夜の虹の向こうへ』
『夜の虹の向こうへ』

   『夜の虹の向こうへ』(小学館)。高砂さんは2000年夏、ハワイで初めて「夜の虹」に遭遇し、撮影にも成功した。月明かりが雨に当たって現れる珍しい現象だ。すっかり魅せられた高砂さんはその後、「夜の虹」を含む世界各国の「虹」を巡る旅を続ける。そうした中で、先住ハワイアンやネイティブアメリカンらとも出会い、その叡智に触れながら自然と人間の不思議な関係について思いを深めていく。虹を追っていた高砂さんの旅は、いつしか「その向こうにあるもの」を求めるものへと変化していったのだ。

   そんな高砂さんの「変化」が自然に思えるほど、撮影エピソードはスリリングな展開を見せる。「そんな偶然が何度も重なるものなのか」と驚いてしまう程、不思議な巡り合わせが訪れる。あまりの偶然に、海外撮影でチャーターしたヘリコプターのパイロットらが「OH MY GOD!」を繰り返す場面も描かれている。

   そんな撮影秘話にドキドキしながら読みすすめるうちに、ハワイの叡智などに触れ、心が温かくなってくる、そんな本に仕上がっている。「夜の虹」の写真も載っている。

   2012年10月末、発売された。1785円。

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