「値切りスト」金子哲雄さんが残した 「年収2倍」サバイバル・テクニック

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   41歳の若さで今月(2012年10月)2日に亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さんには「国際値切りスト」の異名があった。モノを値切って安く買う達人だったからだ。独特の語り口でテレビでも人気者になり、デフレ時代を生き抜く知恵とヒントを授けてくれた。そんな金子さんの残した3冊を紹介する。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中

人生を決めた100円のメロンパン

『ボクの教科書はチラシだった』
『ボクの教科書はチラシだった』
『ボクの教科書はチラシだった』

   流通ジャーナリスト金子哲雄さんのモノの値段へのこだわりは3歳のころからだ。母親に買い物を頼まれ、200円持って120円のメロンパンを買いに出掛けた。パン屋に行くと、100円の値札がついていた。それで2個買って帰ったところ、「えらい」とほめられた。初めて味わう安くモノを買う快感だった。修学旅行では安さに感動して大根と白菜を土産に買って帰った。小学館からの『ボクの教科書はチラシだった』(著・金子哲雄、1000円)は、そんな子どもの頃のエピソードとお得な買い物をするためのヒントが満載だ。

   「国際値切りスト」は、なんでもかんでもやみくもに値切るのではない。お店やメーカーに迷惑をかけずに、互いが喜び、感謝し合う値切りが信条だ。教養とは「お金をかけずにほしいものを手にいれる力」と教わった原点がここにある。

激安商品の本当の原価は?

『これでわかった!! 値段のカラクリ』
『これでわかった!! 値段のカラクリ』
『これでわかった!! 値段のカラクリ』

   デフレの止まらない経済大国ニッポン。店頭には激安商品があふれている。牛丼、ハンバーガー、弁当ばかりではない。メガネ、ファストファッション、液晶テレビ。さらには海外旅行、自動車までモノの値段はどんどん下がるのに、それでも儲かるのはなぜなのか。気になる本当の原価はどうなっているの?

   集英社の『これでわかった!! 値段のカラクリ』(著・金子哲雄、1155円)は、誰しも思う、そんな疑問に答えて低価格商品の価格構造を独自の理論でわかりやすく解明する。モノの値段の成り立ちを知ることは、世の中の生産や流通の仕組みを知ることだ。それがわかれば、値切り交渉で優位に立てるし、安物買いの銭失いにならずに済む。買い物上手になるための格好の1冊だ。

不透明な時代を生き抜く

『食いっぱぐれない「働き方」のテクニック』
『食いっぱぐれない「働き方」のテクニック』
『食いっぱぐれない「働き方」のテクニック』

   エンターブレインからの『食いっぱぐれない「働き方」のテクニック』(著・金子哲雄、1260円)の著者、金子さんのプロポーズの言葉は「年収300万円でも600万円の生活を保証します」だった。得意の値切りや節約で、300万円あれば食いっぱぐれることはないと踏んでいたのだろう。肺カルチノイドという珍しい病気だったが、家族と事務所以外には知らせず、亡くなった時は葬儀、通夜の料理、墓まですべて手配済み。先行き不透明な時代に見事なまでの人生の納め方だった。

   本書は死の半年ほど前に出版された。働き方とは即ち生き方のこと。サラリーマンからコンサルタントを経て流通ジャーナリストとして活躍した金子さんが、現代のビジネスマンにおくる今という時代を生き抜くためのサバイバル・テクニック。

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