日本航空(JAL)は2012年10月13日、スタジオジブリと共同で行っている「『空を飛ぶ。』プロジェクト」の一環として、小学生から募集したイラストを機体に描いた最新鋭中型旅客機、ボーイング787型機を10月14日から国際線に就航させると発表した。
当初、特別機は08年にも就航する予定だったが、米ボーイング社の製造の遅れなどで4年越しのお披露目となった。
「あなたが乗って旅してみたい、空飛ぶ乗り物」をテーマに募集
JALとスタジオジブリは1992年に、映画「紅の豚」を共同で制作し、07年には787の導入を見越して「『空を飛ぶ。』プロジェクト」を発足。国内の小学生を対象に、「あなたが乗って旅してみたい、空飛ぶ乗り物」をテーマに787の初号機のデザインを募集し、全国から約1万3474点の応募があった。最優秀賞1点と優秀賞6点が選ばれ、宮崎駿監督と受賞者の作品を組み合わせた機体の完成予想イラストも公表されていた。
787は北京五輪が行われた08年をターゲットに導入する予定だったが、製造は大幅に遅れ、実際にJALが初号機を受け取ったのは12年3月末。JALに納入された5機目の787が、4年遅れで「ジブリ機」としてお披露目されることになった。特別機には、縦2.6メートル、 横1.11メートルのデカール(シール)を左右50枚ずつ、計100枚を貼り付けた。
ジブリ次回作は「飛行機がいっぱい出てくる」
羽田空港の格納庫では発表会が行われ、最優秀賞に選ばれた山口裕子さん(15)は、受賞当時は小学5年生だったが、今は中学3年生。「このような日が迎えられてとても幸せ」と、感慨深げだった。優秀賞の吉村侑一郎さん(16)も、「一時期、『飛ぶの大丈夫かな』と思ったけれど、本当に飛ぶことになって良かったです」と安堵していた。
発表会には、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも姿を見せた。「本来は宮崎駿監督が出席しなければならない」としながらも、宮崎監督の出席がかなわなかった理由について
「製作の真っ最中。飛行機がいっぱい出てくる映画を作っている」
と、次回作の内容を明かした。
特別機は10月14日から13年3月31日まで、東京(羽田・成田)と北京、シンガポール、モスクワ、ボストン、サンディエゴを結ぶ路線に就航する。