これが、「ネット論壇マトリクス」だ――最新の「SAPIO」11月号(小学館、2012年10月発売)に、そう銘打った1枚の図版が掲載された。
ネット上で活躍する言論人51人を「リベラル―保守」「理想主義―現実主義」という2軸で分類したものなのだが、登場した当人たちが敏感に反応、ちょっとした話題となっている。
ネット論壇人は「リベラル・理想主義」軸?
同誌はこの号で、特集「『SNS新・新左翼』が若者を動かす!」を組んでいる。保守的なスタンスで知られる同誌らしく、「ソーシャルメディアが世界を変える」論を始め、官邸前脱原発デモ・ノマド・セルフブランディングなどを懐疑的に取り上げる。
上述のマトリクスはその冒頭を飾る。「ネット事情に詳しい複数の識者、ジャーナリスト」の見解を元に編集部が作成したものといい、煽り文句はちょっと懐かしい響きの「新・若者たちの神々」。特集の性格上か、「リベラル・理想主義」(同特集でいうところの「SNS新・新左翼」)に属する人物が最も多い。
これに、名前の挙がったジャーナリストや知識人たちが相次いで食いついた。同誌の取材も受けたジャーナリストの津田大介さん(中道・やや理想主義)が、
「斬新過ぎて、誰がどのような基準でこれらの人をピックアップして、配置したのか基準が知りたいところ(←中途半端な位置に置かれた者の嘆きです)」
とため息混じりにツイッターでつぶやいたのを皮切りに、東浩紀・早稲田大教授(ややリベラル・中道)が「おれは中道だったのか。。」、実業家の家入一真さん(リベラル・理想)も「なんだこりゃ!」「理想に燃える左翼クラスタ…」とツイートするなど、多くは自分の立ち位置に首をかしげるものだった。