【書評ウォッチ】もっと変わるぞ、働き方 「個の時代」を切り開くには

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   働き方や雇用のスタイルが大きく変わっている。ここ10年の変化は激しいが、この先はどうか、どう働いたらいいのか。答えの一つを示す『ワーク・シフト』(リンダ・グラットン著、プレジデント社)を読売と日経新聞が紹介している。「個として生きる時代」「主体的に切り開く」とそれぞれの見出しが語るとおり、企業や組織よりも個々人の自立や他の人とのネットワークを中心に考える本。暗い予測ではなく、望まれる未来像を描いた。働き方も社会も、もっともっと変わるというのだ。【2012年9月30日(日)の各紙からII】

いくつも専門技能を磨く

『ワーク・シフト』(リンダ・グラットン著、プレジデント社)
『ワーク・シフト』(リンダ・グラットン著、プレジデント社)

   「2025年という具体的な未来に、人々が抱く仕事観、仕事のタイプ、人々が自分のため次世代のために必要と感じるものを予測する」と、日経の評者・金井壽宏さん。著者はロンドン・ビジネススクール教授で、専門は組織行動論。これからの働き方は、テクノロジーやグローバル化の進展だけでなく、人口構成の変化・長寿化やエネルギー・環境問題の深刻化などの要因で変わるという。そこから貧困層の出現や職業人生の長期化、移住の活発化など32の現象をあげた。

   働き手と企業の関係が弱まり、一方で世界中がネットワークでつながり、クラウドであらゆる情報・サービスにアクセスできるようになる。そうした未来を「漫然と迎える」か「主体的に築く」かの問題が出てくる。変化に振り回されず、味方にしろと本は説く。

   働き方は劇的に変化する。「そこは大勢のミニ起業家が場所を問わず活躍する世界」「長寿命化に伴い、人によっては一生のうちでいくつも専門技能を磨くことになる」と、読売の評者・土井英司さんは読みとる。

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