未婚化、晩婚化、非婚化に加え、諦婚化という言葉もあるそうだ。その一方で、婚活が盛んになり、事実婚、でき婚、年の差婚、格差婚といった言葉も生まれた。日本の結婚はどこへ行くのか。そして、シアワセな結婚とは。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。
自分より収入の少ない男性との結婚
『格下婚のススメ』
一家の大黒柱は夫、妻に求められるのは内助の功。そんな夫婦像を180度ひっくり返した結婚を提唱するのが、阪急コミュニケーションズの『格下婚のススメ』(著・水次祥子、1575円)。自分より収入の低い男性と結婚すれば、大黒柱は妻だ。そうなれば、夫より早起きしたり、急いで帰宅して夕食の用意をしたりすることもない。ストレスから解放され、女性にとって理想的な結婚形式だというわけだ。
高学歴の女性の社会進出が進み、高収入を得る女性が増えている昨今、このような組み合わせは十分あり得ること。男女の力関係を逆転させれば、幸せになれるというものでもないが、「格上の男性」ばかりを探し求めて結婚相手が見つからないという女性は、発想の転換によって案外素敵な相手を見つけることができるかもしれない。
40歳オタクと中国人女性との結婚生活
『中国嫁日記』
エンターブレインの『中国嫁日記』(著・井上純一、998円)は、40歳のオタクの日本人男性と20代の中国人女性の結婚生活を描いた人気ブログ「中国嫁日記」の4コマ漫画を本にしたもの。2010年7月の開始以来、大変な人気をよび第2巻も発売されている。
日本と中国の文化の違いがユーモラスに紹介されているが、何事にも一生懸命な若い妻とのほのぼのとした日常生活が人気の秘密だ。「こんなお嫁さんほしいな」。そんな思いを抱くファンも多いのかも知れない。比較的最近の更新では尖閣諸島をめぐる反日デモも登場。妻に中国の友達から電話がかかってくる。「日本にいると中国人は狙われるから中国に帰った方がいいんじゃない?」。すると、妻は「日本人そんなコトしないデショ!! 中国の人暴れてるだけジャナイ!!」と、夫も驚くほど怒っていた。
「重すぎる」時代遅れの制度
『事実婚 新しい愛の形』
愛の小説の大家による「結婚の書」である。といっても従来型の結婚ではない。新しい結婚の形の提唱である。集英社新書の『事実婚 新しい愛の形』(著・渡辺淳一、735円)は、今の日本の結婚制度は時代遅れで重すぎると批判する。好きな相手ができても、いざ結婚となると、家や親兄弟、親戚、会社まで巻き込み大騒動になる。女性は姓が変わるという問題も起きる。そして、いったん結婚すると、愛がなくなっても容易に別れることはできない。泥沼の離婚劇か、我慢の人生か、いずれかに耐えていかねばならない。こうした結婚の重さが、現代日本の若い男女の未婚率を高めていると説く。
もっと軽くて、より自由に当事者同士で話し合い、一緒に暮らし、子どもを産み育てられる結婚の形態はないのか。それが、事実婚というのだ。体験記や実践者との対談もある。