「重すぎる」時代遅れの制度
『事実婚 新しい愛の形』
愛の小説の大家による「結婚の書」である。といっても従来型の結婚ではない。新しい結婚の形の提唱である。集英社新書の『事実婚 新しい愛の形』(著・渡辺淳一、735円)は、今の日本の結婚制度は時代遅れで重すぎると批判する。好きな相手ができても、いざ結婚となると、家や親兄弟、親戚、会社まで巻き込み大騒動になる。女性は姓が変わるという問題も起きる。そして、いったん結婚すると、愛がなくなっても容易に別れることはできない。泥沼の離婚劇か、我慢の人生か、いずれかに耐えていかねばならない。こうした結婚の重さが、現代日本の若い男女の未婚率を高めていると説く。
もっと軽くて、より自由に当事者同士で話し合い、一緒に暮らし、子どもを産み育てられる結婚の形態はないのか。それが、事実婚というのだ。体験記や実践者との対談もある。