通常の3倍の速度で接近してきます!――そう呟きたくなる「シャア専用オーリス」をトヨタ自動車が発表した。同社のハッチバック「オーリス」のフルモデルチェンジを記念したコンセプト車で、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のメインキャラクターで「赤い彗星」の異名を持つ「シャア・アズナブル」をイメージしたデザインが話題を呼んでいる。
「痛車」にだけはしたくない
CMでメインカラーとしている「赤」、高い走行性能、そして「ノット オーソリティ バット オーリス」という時代の潮流に逆らうコンセプトが、主人公と人気を二分するライバルであるシャアと重なるとして企画された。トヨタマーケティングの担当者によると、ガンダムファンの多い社内だが、同時にアーティスティックなデザインが売りのオーリスだけに、「『痛車』にだけはしたくない」という思いは強かったそうだ。
そんな中で、熱烈なガンダムファンというトヨタモデリスタのデザイナーが「シャアの気持ちになって、シャアならどんなのが気に入るか」考えながらデザインした車体は、モビルスーツの質感を再現するため、通常とはまったく異なる艶消しの赤で塗装され、側面にジオン公国旗のエンブレムが大きく描かれている。
サンライズも「これはいいね」
何も知らない人が見ればオシャレな赤い車という印象だが、フロントエンブレムはトヨタではなくジオンのそれ、ホイールにも「ZEON」の文字がおどる。マフラーエンドもモビルスーツの噴射口をイメージし、ルーフに「隊長機」を示す角型のブレードアンテナを装着したり、ジオンのモビルスーツに準じた形式番号「MS-186H-CA」(186Hはオーリスの車体番号)をペイントしたりと細部までこだわりが光る。
サンライズなどの版元にも「これはいいね」と言わしめた「お墨付き」だけに、ネットでも
「まじでほしい」
「プリウス売って買いたい」
「売ってくれよ」
などと販売を望む声が相次いだ。販売するかはまったく「未定」だが直接届く反響もかなり大きく、「追い風になっている」(トヨタマーケティングの担当者)という。
現在のところ1台しかないこの「シャア専用オーリス」は、「オーリス展示イベント」で全国7か所を巡回後、2012年10月6日からはじまる「お台場学園祭」への出展が予定されている。等身大ガンダムのそびえ立つお台場(東京・港区)に「念願かなって」(同)の登場というわけだ。