【書評ウォッチ】英語との新しい向き合い方は? 「必要不可欠」「9割はムダ」

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おすすめは脱「きれいな英語」

   古屋裕子編『英語のバカヤロー!』(アース・スターエンターテイメント)は、各界で活躍する12人の英語が簡単でなかった経験談と意見。おもしろいのは米国で経営学修士(MBA)を取得した船川淳志著『英語が社内公用語になっても怖くない』(講談社+α新書)。英語イコール「ネイティブの英語」という幻想からの解放を主張している。

   『ビートルズの英語』(ザ・ビートルズ・クラブ著、集英社インターナショナル)を、社会学者の橋爪大三郎さんが読売で。リバプール訛りで、下町べらんめえ調。「活きがいい英文に、単語の説明もついて、学習参考書も兼ねている」「ビートルズ魂ここにあり」と称賛しきりだ。

   松本さんは英米人の「きれいな英語」をマスターするという従来スタイルから、アジアの英語を素材に「通じるかどうか」を基準にと提唱する。新鮮な考え方は傾聴に値するが、この日経記事は日本語とのバランスをふくむ文化論の側面がうかがわれず、半分以上が企業英語の問題。論じるのが英語教育の専門家だから無理もないが、広いスタンスでさまざまな角度から論じる企画もほしいところだ。それぐらい、この問題は根深い。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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