先頭の男性の意外な「前歴」
記者も列を離れ、先頭の人の話を何度か聞こうとしたのだが、その都度「離席中」だった。深夜1時にようやく列の先頭に戻ってきたのは、日焼けした肌が健康的な印象の30代ぐらいの男性だ。
都内在住で現在は会社員をしているが、実はアップルストア銀座店の元店員で、このお祭りを「逆の立場になって見たい」という気持ちから、5日も前の15日の夜から仕事を休み並んでいた。彼はアップル製品への愛を熱く語った後、行列仲間達とともに、「乗るしかない、このビッグウェーブに」のセリフで有名な男性を見に行くと言いながら、「ソフトバンク銀座」方面へ再び消えていった。
その後、列の前後の人と雑談したり、いすに座ってうつらうつらしたりしている内に夜が明けた。それから朝8時の販売開始のカウントダウンまでは「普通」に過ぎていった。いつの間にか、記者の後にも前列の倍ほどの列が続いている。
販売が始まり、午前中は「予想通り」前に進んでいった。途中から列がau組とソフトバンク組に分かれる。ところが、正午過ぎ、記者が並んでいた方の列の動きがピタリと止まった。