【北京発】当局「鶴の一声」で反日デモ雲散霧消 それでも怖い「日本人の子供の臓器は高く売れる」の噂

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デモ期間中、少し離れると和食レストランも普通に営業

   デモ期間中、公寓内マーケットでは、めぼしい品物がすぐに品切れになったそうだ。中国語が堪能な人は裏口からこっそり出て徒歩で市場へ買い物にも行けたというが、日本人とばれるのを恐れる人は備蓄食料で暮らしていた。数年前の鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ騒ぎのときに食料備蓄が盛んに推奨されたので、どの家もある程度の備蓄はしている。しかし、生鮮食品が不足する。友人は「お米の備蓄があるから飢えはしないけれど、パンが食べたい」とこぼしていた。確かにパンは保存がきかない。

   デモ期間、大使館近くに住む日本人はこんな不便な生活を強いられたが、少し離れると、気抜けするほど平穏だった。往来で大声の日本語で話すことはさすがに避けてはいたが、和食レストランも普通に営業しており、中国人もみな平然と食事をしていた。

   最大のデモが明けた9月19日、封鎖されていた大使館前の道路は車が通行可能となったが、車道と歩道との間は柵が二重に隙間なく並び、2、3メートルおきに警官が立ち並んで警備していて、ものものしい。大使館前の日本人公寓の正門前も歩道と車道の間に、柵が二重に設置されている。またいで外に出られないわけではないが、警官の目に気おされる。外出できたにしても、この近辺ではやはりまだ日本人とわからないよう注意せねばならない。日本人が肩の力を抜いて暮らせる日が待ち遠しい……。

小林真理子

【プロフィル】
小林真理子(こばやし まりこ)
北京在住3年のフリーランスライター&翻訳業。
趣味は旅行と武道。

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