【書評ウォッチ】本を読まない若者に「これはどうか」 出会い演出するソムリエ

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「孤独は強いことなんだ」と教えられた

   「共通するのは、富や力ではなく、魂が震えるような情熱なのだ」と、奥野さんは強調する。記事のタイトルは「本のソムリエ」。よい読書との出会いを演出する。

   若者向けの本については、朝日も俳優・宮崎美子さんの話を構成して載せている。高校1年生の時に友だちの薦めで読んだという『草の花』(福永武彦著、新潮文庫)。

   手術を受けて亡くなった青年がノートに記した、ひそかに思いを寄せる女性とのやりとりが「愛」「孤独」といった思春期にきらめくテーマを語る。「孤独はひとりぼっちじゃない、強いことなんだと教えられました」と宮崎さん。いま青春の人も、昔そうだった人も、こういう気持ちを振り返ってみるのもいい。わかりやすい記事が助けてくれる。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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