福祉と労働に光と影のオランダモデル
ほかに、格差拡大の反対をいく典型例としてオランダをとりあげた『反転する福祉国家』(水島治郎著、岩波書店)が毎日新聞に。「日本の福祉と労働のあり方を考えるための貴重なヒントを与えてくれる国」と、評者の中村達也さんがいう。
この国で石油危機後の経済停滞と失業に対処するためにできた合意がある。労働側は賃金抑制に応じ、使用者側は労働時間の短縮と雇用を保証する。政府は生活水準維持のために減税を実施。パートにもフルタイムと同等の権利を認める。一方では、移民・難民を排除する政策もとられた。レンブラントの絵のような光と影の「オランダモデル」だ。
(ジャーナリスト 高橋俊一)