「消えた漢字」と日本の関係
『韓国が漢字を復活できない理由』
もともと漢字の国だった韓国から漢字が消えたのはなぜか。それによって何が起きたのか。漢字を併用した方が便利に決まっていると思えるのになぜ復活できないのか。韓国に造詣の深いSF作家による祥伝社新書の『韓国が漢字を復活できない理由』(著・豊田有恒、798円)は、その背景に韓国特有のナショナリズムがあるとみる。
日本統治時代に日本製の漢語が大量に流入、漢字熟語の7、8割は和製漢語だという。漢字復活論がわき起こるたびに潰されてきたが、独立後、日本色払拭を最優先とした韓国にとって、譲ることのできない選択だったのか。一国の言語政策はその国の国民が決めることで、外国人がとやかく言うことではないと著者自身も認めているが、それを承知の上で上梓した1冊だ。