中小企業の苦境
著者は憤る。粉飾自体はたしかに悪いことだ。しかし、粉飾はほんの一部の悪徳企業がしていることではなく、中小企業約四〇〇万社のうち7割以上がしていると言われている。
中小企業が粉飾決算をしないと生きていけない苦境に、検察は正面から向き合わず、自分たちの事件の見立てだけで「正義」を押し通す。そして業績が立ち直りかけていた会社の経営者を逮捕する。その会社は銀行取引をストップされ、従業員は職を失い、取引先は連鎖倒産する。家族や親類まで「犯罪者」扱いされる。こんな"絶望的な"ことがあっていいのだろうか?
真相を探ると見えてくる、わが国の経済と司法の深刻な病が、本書では描かれている。