【書評ウォッチ】縛られずに働く「ノマド」スタイル 安定か自由かの大問題

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会社が減って働き方はノマド的に

   どちらにせよ、『社会を変えるには』(小熊英二著、講談社現代新書)にあるように、ピラミッド型の会社組織は減り、働き方は多様化していく。「望むと望まざるとにかかわらず、日本人の働き方はノマド的にならざるを得ない」というのが評者の見方だ。

   もう少し広いスタンスの「生き方論」としては、直接の働き方からやや離れるが、『少しだけ、無理をして生きる』(城山三郎著、新潮文庫)を読売の小さなコーナーがすすめる。時流や権威に流されない、気骨ある生き方をした人々を描いてきた著者が、広田弘毅ら政財界のリーダー像を通じて人間の魅力を語る。

   「みな現状に満足せず、広く関心を持ち、生涯、少しだけ無理をして生き、自分の器を広げていった」と、「飼」一文字署名の記事にある。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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