東日本大震災以来、日本人の「備蓄」への関心が高まっている。その一方で思わぬ「ムダ」も広がっていることが、小学生の子どもがいる母親800人を対象としたキリンMCダノンウォーターズの調査でわかった。それは買いだめした食品の「期限切れ」だ。
期限切れ回避の「循環備蓄」実践者は6割
2012年8月24日発表されたこの調査によると「買いだめしたものの、使わないまま期限切れでムダにしてしまった備蓄品」として最も多かったのは「水」。14.7%が「期限切れ」経験があり、これらの家庭の平均「損害額」は年間1182.2円に及ぶ。仮に全国の12歳未満の子どもがいる家庭で、同じ割合で「ムダ」が発生しているとすると、日本全体では年間14億7580万円分もの水が空費されている計算だ。
こうした「期限切れ」回避のため推奨されているのが、備蓄品を日常生活の中で活用しながら、なくなった分をその都度補充していく「循環備蓄」という考え方だ。用語の認知度こそ15.8%に留まったが、用語を知らなくても全体の61.8%がこの方法を実践していた。
なおこの調査では、節電を心がける人ほど水分補給への意識が高い傾向も見られたが、節電対策を実践している家庭は前年の63.8%から5.9ポイント減の57.9%に留まった。