【書評ウォッチ】「中流」は殺されるか 米国そして日本にも迫る問題

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平凡なタイトルでも個性的な環境本

   ほかに、『植物からの警告』(湯浅浩史著、ちくま新書)を東京新聞が紹介。書名は平凡だが、コアラの食べ物としてすっかり有名になったユーカリをキーに環境問題を考えた視点はわかりやすく、個性的だ。

   水分の吸収力が強いユーカリは乾いた土地でもたくましく育つ。が、葉や幹から揮発性の油成分が出ていて、コアラ以外にはどうも歓迎されない。「その森を緑の砂漠と表現した著者の感性に納得する」と、評者の中野不二男さん。近年は白骨化したユーカリが見られ、土地の塩害が進むという。その関係と対策を考えた本。「好奇心のツボをうまくついてくる」「表現がうまい」と、評価は高い。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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