「特攻」「戦犯逃亡」あらためて問う「なぜ」 文学作品で読む戦争の不条理

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   戦争は多くの命を奪い、理不尽な悲劇をもたらす。その極限状況の中から数々の文学作品が生まれてきた。心に響く作品は戦争と平和への思いを新たしてくれる。この夏、手にとってほしい3冊を紹介したい。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」

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「臆病者」がなぜ特攻に志願したのか

『永遠の0』
『永遠の0』

『永遠の0』

   太平洋戦争の末期、戦況悪化の下で多くの若者たちが特攻隊となって太平洋に散った。祖国のため自らを犠牲にして敵艦船に激突していったのだ。講談社文庫の『永遠の0(ゼロ)』(著・百田尚樹、920円)は、ある特攻隊員の謎をめぐる物語である。

   終戦から60年目の夏、青年・健太郎は特攻で戦死した祖父の生涯を調べ始める。「娘に会うまでは死ねない。妻との約束を守るために」と言い続けていたのに、なぜ自ら志願して零戦に乗り命を落としたのか。戦友たちの証言から浮かび上がるのは、天才といわれるほどの腕を持ちながら臆病なまでに死を恐れていたという意外な人物像だった。ひとつの謎が浮かんでくる。そして、明らかになる真実。そこには、涙を流さずにはいられない、家族の絆があった。

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