【書評ウォッチ】吉川英治の名作でスカッと 「大震災後に抜てき」の連載小説

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

中流層の貧困化に拍車

   硬い分野では、『スクリューフレーション・ショック』(永濱利廣著、朝日新聞出版)がはっきりしたメッセージを打ち出している。表題は米国語の造語。インフレで中流層の貧困化に拍車がかかること。「そんな米国生まれの病に日本もむしばまれつつある」と警告を発した一書と日経に。評者無署名。

   米国の経済格差がグローバル化やIT化の進展から拡大してきたところへリーマンショック、さらにエネルギーや食糧の値上がりが追い打ちをかけた。所得が伸びないのに支出が膨らんだ。

   日本はデフレを克服できないでいるが、著者はぜいたく品の値下がりと生活必需品の値上がりという「物価の二極化」に警戒を呼びかけている。ただ、その処方せんが法人減税と自由貿易とは財界の主張と同じ。有力な意見だが、さまざまな議論がある。このへんにまで注意して読めば、この分析、十分参考になる。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

姉妹サイト