終戦から67年、今年も8月15日がめぐって来た。あの戦争は日本にとって、日本人にとって何だったのか。戦争を体験した世代も、戦争を知らない世代も、今一度考えてほしい。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。
開戦と終戦、肩の凝らない歴史談義
『昭和史、二つの日 語り継ぐ十二月八日と八月十五日』
「帝国陸海軍は今八日未明 西太平洋においてアメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり」(昭和16年(1941年)12月8日のラジオ放送より)。「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス」(昭和20年8月15日の玉音放送より)。
山川出版社の『昭和史、二つの日 語り継ぐ十二月八日と八月十五日』(著・保阪正康、1680円)は、このふたつの日を日本人がどう受け止め、何を見落としたかを昭和史研究の第1人者が語り下ろした1冊だ。12月8日と8月15日の2部構成。第1部では開戦の責任を中心に「開戦への決定過程」「御前会議の不思議な議論」など、第2部では戦後史をたどりながら「A級戦犯はなぜ合祀されたのか」「マイナス効果が目立つ日本の戦争謝罪」など、それぞれ取材秘話を交えながら肩の凝らない歴史談義に仕立てている。