東京・東銀座にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」を訪れたら、一度は買いたいのが、盛岡名物の冷麺だ。常温、冷蔵ともにかなりの商品が置いてあるが、なかでも冷麺・焼肉店の「ぴょんぴょん舎」の盛岡冷麺2食セット(840円)がもっとも売れ筋だということだ。
固まらないようによくほぐす
盛岡冷麺のルーツは、いまの北朝鮮の平壌にある。60年近く前に、平壌出身の料理人が盛岡で冷麺を出して広まり、そのうち麺の原料やスープのダシなどがアレンジされたりもして、いまやすっかり盛岡名物としてその地位を確立したのである。奇しくも平壌と盛岡は同じ北緯約40度線上にあるそうだ。
さて、このぴょんぴょん舎の冷麺セットは、麺170グラム、ストレートスープ180ミリリットル、キムチ、酢などが2人前入ったもので、お店の味を手軽に味わえるということだ。手にするとずっしりと予想以上の重さがある。冷蔵品なので、夏場は持ち運びに少々気を使う。オンラインショッピングで買うのもいいかもしれない。
「イーハトーヴの味伝説」なるコピーが書かれた袋(岩手は宮沢賢治のふるさとだ)を開けて、調理に取りかかる。麺のゆで時間は4分間ほどだ。うどんなどとくらべると、麺がほぐれにくく、よくほぐさないと鍋のなかで固まったままになっていることがある。
大根のエキスがスープに深み
国産の牛肉・牛骨と鶏ガラをじっくり煮込んだというスープは、冷やして器に注ぐだけ。とろみがあり、塩気をわりと感じた。具には、きゅうり(酢漬け)、ネギ、トマト、チャーシューを用意した。このほか、ゆでたまごや梨なども定番だ。
付属のキムチのパックは、いちょう切りの大根が中心で、汁気が多い。これがスープを赤く染めていくと、見た目は辛そうだが意外にマイルド。大根は食べやすいサイズで、味がよくしみており、また一方で大根のエキスがスープに深みを与えているようだ。
冷麺ならではの独特のコシと冷感に、塩スープ、酢の酸味、唐辛子、大根のエキスなどが重なり合って、奥深く調和の取れた味が舌に広がる。見た目から予想した「ヒーヒー辛い」というのとは対照的な、なにやら北国の静謐なおいしさがあった。
商品名:盛岡冷麺
製造:ぴょんぴょん舎
サイズ:2食セット
価格:840円