読者にとって、好きな漫画のアニメ化は(時に不安はありつつも)やはり楽しみなものだ。しかし製作の都合上、雑誌での初出からアニメ化までにはどうしてもタイムラグが生じることになる。特に連載が始まったばかりの作品では、いわゆる原作の「ストック」がたまるのを待つ必要があるので、アニメ化はますます先の話となってしまう。
「そんなの待ってられない、この興奮を、今すぐアニメでも味わいたい!」――そんなわがままを、現代はついに現実のものとした。ネクスト・メディア・アニメーション・ジャパン(東京・港区)が立ち上げた「TomoToon(トモトゥーン)」は、雑誌掲載された漫画にQRコードを併記、スマートフォンからアクセスすることで3Dアニメーション化された作品を視聴できるというサービスだ。
第1弾は「シャーマンキング」の武井宏之
これを可能にしたのは、台湾に集結した約450人の制作スタッフだ。生原稿ができ次第、スタッフたちがただちにCGでのアニメ化に着手、雑誌掲載までにはアニメを完成させてしまう。技術力を生かしたそのスピードもさることながら、「サクラ大戦」などで知られる広井王子さんがアートディレクションの監修を務め、原作の空気感を生かした映像化を実現した。
第1号作品は、「ジャンプSQ.(スクエア)」9月号(集英社、2012年8月4日発売)掲載の読みきり漫画「ヤハべえ」で、作者は「シャーマンキング」などの武井宏之さん。42ページの作品を、約20分に映像化して公開する。
視聴は、同誌掲載のQRコードから。
ダイジェスト版トレーラーはhttp://www.youtube.com/watch?v=Hhf9D3B8x04