夏になると、どこからともなく飛んできては妙に耳に障る羽音と肌のかゆみで苦しめてくれる憎い奴――そんな蚊の攻撃から身を守るため、人類は知恵を絞ってきた。2012年は、伝統の「蚊取り線香」が節電の影響による需要の高まりを受け生産数を増やしている。スマホ用には「蚊対策」アプリも登場しているが……。
伝統の蚊取り線香が「最強」
蚊取り線香「金鳥の渦巻き」を製造・販売している「大日本除虫菊」では、2011年、東日本大震災の影響で節電意識が高まったことから、前年比で10%以上売り上げが増えた。品切れもあったため、2012年は増加分の需要を見込んで生産に取り組んでいる。
「蚊取り」といえば近年ではリキッドタイプやマット、スプレーなどさまざまなシーンで使えるような幅広いラインアップを見せているが、大日本除虫菊によると「蚊取り」効果が一番高いのは、伝統の「蚊取り線香」だそうだ。少し意外にも感じるが、殺虫効果の「立ち上がり・広がり」がよく、煙にも蚊を追い出す効果があるためという。
「短時間少しずつ、毎日使いたい」という声にこたえ、「金鳥の渦巻き」ミニサイズには2012年からあらたに大容量版(578円)が加わるなど、人気は根強い。
天然の「虫よけ」、アロマオイル
蚊取り線香には天然素材のみを用いたタイプもあるが、天然素材で肌を守るならアロマオイルを利用する手もある。パーフェクトポーションの「バズオフ」シリーズでは、シトロネラ、ペパーミント、ユーカリ、ティートリー、シダーウッドなど、虫が嫌う香りのエッセンシャルオイルをバランスよく配合したオイル(2415円)をはじめ、ボディスプレー(1470円)、キャンドル(2100円)などを展開している。殺虫効果はないが、いわゆる「虫よけスプレー」と異なり、清涼感のある香りが大人にも使いやすい。
もっと他の撃退法はないの?と気になる人が少なくないのか、スマホのアプリには、「虫の嫌がる音を出して蚊を寄せ付けない」という触れ込みのものが、iOS向け、Andoroid向けともに多くの種類がでている。あるアプリ(無料)をみてみると、100件以上の感想が寄せられており、「効果があった」という反応も相当数あった。一方で、「蚊の生態上、効果はないはずだ」との指摘もあり、「ジョークアプリでは?」という受け止め方もあるようだ。