女子・男子ともにロンドン五輪で白星スタートを切った日本サッカー。その生きる伝説が「キング・カズ」こと三浦和良選手だ。2012年2月26日で45歳になったが、いまなお現役としてプレーを続けている。
40代半ばとなり、親子ほど歳の離れた若手選手たちと同じ量の練習に日々汗を流し続け、「サッカー生活に終止符を打つ気持ちはさらさらない」と言うその思考と足跡の記録を、三浦選手みずから刻んだのが『やめないよ』(新潮新書、777円)だ。
なぜ26年もモチベーションを高く保ち続けられるのか
三浦選手のプロとしてのキャリアは今年で26年目。なぜ、こんなにも長いあいだ、モチベーションを高く持ち続けられるのか──そのための"極意"ともいうべき考えがそこここに織り込まれている。
1967年に静岡県に生まれ、15歳で単身渡航したブラジルで、プロサッカー選手になった。帰国後、1993年発足のJリーグで初代MVPになるなど活躍し、日本代表の試合では計55ゴールの記録をもつ。Jリーグのみならず、イタリアのセリエAやクロアチア・リーグでもプレーし、京都、神戸を経て、現在は横浜FCに所属している。2011年3月29日の震災復興支援チャリティマッチでは、自身だけでなくさまざまな人の「思い」を受け止めながら歴史的ともいえるゴールを決めた。
Jリーグの歩み、日本代表の軌跡、1998年のワールドカップに行けなかったこと…。日本サッカーにまつわる歓喜も哀愁も背負ってサッカーを続ける三浦選手の言葉だからこそ、伝わるものがある。
2011年1月15日、発売された。