「トライブ」知らないと「先」読めない 勝間和代が惚れ込んだメッセージ

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「いまやビジネスの世界でも、NPOの世界でも『トライブ』型の組織がどんどん増えています。トライブを理解しなければ、これからの時代のトレンドを正確に理解するのは難しいと思います」(経済評論家・勝間和代さん)

   「トライブという概念を世に広めたい」という勝間さんが翻訳に取り組んだ、最新訳刊『トライブ 新しい"組織"の未来形』(1260円)が、講談社から2012年7月24日に刊行された。

「3・11以後、もっとも重要な…」

『トライブ 新しい
『トライブ 新しい"組織"の未来形』

   著者のセス・ゴーディンは、かつてYahoo!の副社長を務めたこともある、世界でもっとも影響力のあるコンサルタント、マーケター(マーケット戦略家)だ。そんな彼の新作『トライブ』に「心の底から惚れ込んだ」のが、他ならぬ勝間さんだった。

「もともと私はセス・ゴーディンの本が大好きだったのですが、その中でももっとも衝撃を受けた1冊がこの『トライブ』でした。3・11後の日本人にとって、もっとも重要で必要なメッセージがこの1冊に凝縮されていると思ったんです」

   本書の主張はいたってシンプルだ。「トライブ(tribes)」とは、もともと「部族」などを指す言葉だ。だが、ここでは、「何らかの共通の興味を持ち、互いにコミュニケーションの手段を持つことで、"つながっている"集団」のことを指している。

   従来は、ピラミッドのような形をした巨大組織――つまり、頂点のリーダーによる上位下達の「グループ型」集団こそが強い時代だった。巨大企業が大量生産した商品を、大量宣伝と大型販売網によって売りまくる、ビジネスモデルだ。

   ところが、21世紀に入ると、「グループ」型組織は機能が劣化し、それととって代わるように、リーダーを中心に人々がゆるやかにつながる「トライブ型」組織が台頭するようになった。

   そのような変化を加速させたのが、インターネットの登場である。人々がネットによって簡単に「つながる」ようになったため、規模は小さくても、特定のリーダーを元に熱心な支持者やファンが集結した「トライブ」が、世界のいたるところに誕生した。そのような無数のトライブが、文字通り「世界を大きく変える」ムーブメントを、あちこちで引き起こしているのである。

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