【書評ウォッチ】積み重ねられた体質や構造 「東電もの」異色の一冊

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究明の試みに「聖域」はない

   本は日本社会の歴史を再点検する作業に通じる。企業や政財界、ときにはマスコミによってつくられたイメージや既成概念にとらわれず、この本の視点を正確な事実に基づく評価と批判の第一歩としなければ。究明の試みに「聖域」はない。

   このほか、『梅原猛の授業 能を観る』(梅原猛著、朝日新聞出版)がおもしろい。能の名作といわれる15作の内容と構造を紹介。「能にはほとんど馴染みのない者にとって、絶好の水先案内」と、毎日で中国文学者の井波律子さんがすすめている。

   読む人にイメージ豊かに語りかけ、臨場感もゆたかに能舞台を思い描かせるという。独特の用語や歴史的背景の解説も。能を実際に観ても観なくても楽しめそうな一冊だ。

(ジャーナリスト 高橋俊一)

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