詩人になりたい、詩集を出したい。そういう夢を持つ人は少なくない。しかし、それを実現しようとすると……。
77歳、喜寿になって突然、詩人となり、詩集を出版した山川三多さん。タイトルがなんと『ざまぁみろ』(敬文舎)。落語家の立川志の輔さんが「平成の小言幸兵衛」と評する言いたい放題、絶叫である。ちょっとつまんでみると、
「書名は『ほれ見たことか』でも良かったけど…」
ウラミ(の一節、以下同)「オイ逆算
小便ハ出ルカ
タトエ血ノ小便ニナッテモ
出ルウチハ
死ナナイ」
「逆算シナケレバナラナクナッタ顔
自分ノタメ愛スル人ノタメ
家族ノタメ会社ノタメ業界ノタメ
地域ノタメ文化ノタメ国益ノタメ
スベテガ限界ヲ超エ始メタ
地球ニ余裕ガ無クナッタ(略)」
「女ハ顔ダ
便秘持チデモ
冷エ性デモ
顔ダ顔ナノダ
アア ナツカシイナア
胴長ノ大根足」
1年ほどで書き綴った約150編から39編を選んでいる。両親への思い、生と死、老い、女のことなど、人生への思いの集大成である。
作者(ペンネーム)は1部上場企業、「朝日ネット」の創業者で、社長、会長を歴任した大株主。ネット界成功者の一人である。本人は「書名は『ほれ見たことか』でも良かったけど、友人の画家に,これぐらいに、といわれて」という。詩は初めてだが、俳句、短歌を長年たしなんできた人である。
2012年7月、刊行された。1000円。