ねえ、今メダル獲った選手の国、レソト王国ってどこにあるどんな国?――間もなく開幕するロンドンオリンピック期間中、こんな会話が親子や夫婦、恋人・友だち同士で少なからず交わされそうだ。
そんなときにも便利な1冊が誕生した。『2012 エピソードで読む世界の国243』(山川出版社、1890円)。2012年7月17日、刊行された。世界243の国や地域について、基本的なデータだけでなく、歴史や親しみやすい雑学エピソードを読み、楽しみながら知識を広げることができる。オリンピックの歴史やロンドン五輪の日本選手団一覧も綴じ込みで付いている。
「織田信長が出会ったモザンビーク人、その名は……」
基本的には1国1ページでコンパクトにまとめている。国旗や地図はもちろん、各国・地域の歴史と成り立ちについて、建国前後から現代までを要領よく紹介。現地の様子を伝えるカラー写真も豊富だ。さらに特長は、さまざまな雑学やエピソードが描かれていることで、「勉強用」としてだけではなく、読み物としても楽しい1冊になっている。
例えば、「織田信長が出会ったモザンビーク人、その名は……」といった歴史的な話題から、「奥様運び世界大会って何だ?」(フィンランド共和国)というスポーツものの話まで、様々な分野のエピソードが載っている。明るい内容ばかりではなく、「終わることのない子どもたちの受難」(シエラレオネ共和国)など厳しい社会状況に目を向けた箇所もある。ほかにも、世界遺産やグルメ、産業、文学などジャンルは盛りだくさんだ。
オリンピックに関心はなくても、海外ニュースに接する際などにも役立ちそうだ。観光・お祭り情報もあり、将来的な旅行に思いを馳せる楽しみ方もでき、子どもから大人まで利用可能だ。