いよいよ、ロンドン・オリンピックの開幕だ。世界が興奮する4年に1度の人類の祭典。アスリートの競演、国家の威信、巨大マネーの動き。夢の舞台も舞台裏も全部楽しみたい。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。
オリンピック・マネーの歴史と現状
『オリンピックと商業主義』オリンピックといえばアマチュアリズム。参加することに意義がある。長い間、そう思ってきたが、オリンピックに商業主義というもうひとつの顔が加わったのはいつのころからか。集英社新書の『オリンピックと商業主義』(著・小川勝、777円)は、現代のオリンピックがどのように変遷してきたかを豊富な資料に基づいて正面から取り上げた力作だ。
アスリートたちが鍛え磨いた力と技を競い合う最高の舞台であることには変わりはない。しかし、その背後で放映権料やスポンサー料など莫大なカネが動く。一方で、こうした資金のおかげで途上国の選手が参加できる側面もあるという。五輪礼賛でも金権批判でもないスタンスで検証する「もうひとつのオリンピック史」だ。