「男だけ増えすぎ」の時代 「モテない」では済まない恐ろしい未来予測

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   地球温暖化は世界中の関心事だが、意外と知られていなくて、もっと切実で恐ろしいドラマが地球規模で進行しているという。 講談社から出版された『女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ』で、2012年のピュリッツァー賞ファイナリスト作品に名を連ねた気鋭のジャーナリスト、マーラ・ヴィステンドールによる告発が、それだ。

消えた1億6000万人の女性たち

『女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ』
『女性のいない世界 性比不均衡がもたらす恐怖のシナリオ』

   人口統計学者はずっと、女子100人に対して男子が105人生まれることに注目してきた。これが「自然出生性比」だ。早死にする人数が女性より男性のほうが多いので、生まれる人数も多いのが自然の摂理なのだ。

   ところが、超音波検査などの科学技術の進歩に伴い、男女の産み分け、つまり中絶が可能になると、事態は様相を変えていく。もともと労働力として男子を好むインドや一人っ子政策で男子の後継ぎをほしがる中国など、人口の多い地域でこの傾向に拍車がかかると一気に数字がふくれあがる。

   この数十年間で自然出生性比が維持されていたなら、アジア大陸にはあと1億6300万人の女性がいたはずだというのだ。日本の全人口以上の女子が消えたことになる。

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