海辺の空、虹、あるいは夜空にゆらぐオーロラ、満天の星――-さまざまな顔を見せる自然の空の色は、「そら色」と名乗る色鉛筆の薄い水色では決して表現できない。自然写真家の高砂淳二さんは、そんな夢幻のような空の色を切り取り、『そら色の夢』(パイ インターナショナル)と名付けて写真集として世に送り出した。
上下左右、まわり全体が、夕焼けや星空に包まれる
吸い込まれるように広がる空が「心に安らぎと感動を与えてくれる」とうたうが、なぜ空が人の心を揺さぶるのか。高砂さんはあと書きでこう述べている。
「気持ちのいい青空を見ていると、こちらの心まで晴れてくるし、逆に曇りの日には、なぜかどんよりとした気分になったりする。(中略)天の気持ちと人間の気持ちの間には、切っても切れない関係があるのだろうか」
高砂さんは自然全体の繋がりや、人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動をおこなっている。ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て独立、現在は世界の70か国を超える国々を訪れ、海の中から生き物、風景まで、地球全体をフィールドとする。
4大陸や太平洋諸島各地の自然的景勝地で撮影した写真計102点を収録した『そら色の夢』は、ページを繰るごとに色彩と様相を異にする空がきらめく。なかでも高砂さんは、「ボリビアのウユニ塩湖で空が湖面全体に映り込んで、上下左右、まわり全体が、夕焼けや星空に包まれたシーン」を撮影した「星々に包まれた夜」という1枚をブログで取り上げ、「圧巻ですよ!」と語った。
2012年6月15日、発売された。価格は、2400円。