口笛吹きながら生徒を次々殺害 「ミステリー1位」の恐怖をもう1度

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   『悪の教典』(貴志祐介、文藝春秋)が、映画化される。伊藤英明さん主演で、2012年11月公開。同作は、宝島社の「このミステリーがすごい! 2011」国内部門1位となるなど注目を集めた「学校が舞台の殺戮(りく)劇」だ。12年6月末、電子書籍版(1470円)の配信が、「ソニーの本屋Reader Store」で始まった。

学校の病理も描く

『悪の教典』
『悪の教典』

   邪魔者は消す。殺害するのだ。生徒だけでなく、教師仲間や保護者らからも人気と信頼を集める高校教師の蓮実聖司は、その仮面の下に恐ろしい本性を忍ばせていた。子どもの頃から「他者への共感能力」が欠け、邪魔者を排除するために人を殺すことに何の躊躇も感じない人物なのだ。

   明晰な頭脳を駆使して発覚を抑えていたが、ある日、歯車が狂い始める。そこで取った行動とは、学園祭準備のため夜の学校に集まったクラスの生徒らを次々と殺害していくことだった。お気に入りのオペラ劇中歌「モリタート」の口笛を吹きながら――

   学校の血塗られた一夜の先に見えてくるものは何か。単なる「異常な教師」の話ではなく、現在の学校がかかえる閉鎖性やモラル破綻などの病理も描いている。オリジナル短編も収録した新書判(ノベルズ)は、1785円。

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