「肥満の子供は算数の学力が劣る」報道も
ところが、こういう予測に反する研究結果が2011年、報告された。「American Journal of Health Behavior」という医学誌で発表された報告によると、中国でも、睡眠時間が少なく、座りがちな活動(テレビゲームなど)の時間が多いティーンに過体重が多いのは西洋諸国と同じなのだが、両親の教育が高く、裕福な家庭の子供のほうが過体重になりやすいという、西洋諸国とは逆の傾向が示されたという。
低年齢の小児のほうが、年齢が高い小児より過体重になりやすいというのも西洋と逆。さらに、活発な運動をし、野菜摂取が多く、甘いものの摂取が少ないと過体重になりやすいという不可思議な結果も示された。西洋諸国とは異なる文化習慣や社会的因子が中国では作用しているのだろうと、この論文では推測している。
さて、先(6)月「Childe Development」という医学誌に、「肥満の子供は算数の学力が劣る」という報告が掲載され、中国の新聞でも広く報道された。「太ると成績が下がる」となると、学力重視の中国社会では大問題だ。これを機に砂糖入り牛乳とファストフードを控えるようにならないものだろうか。
小林真理子