車、ファッション、文化に鋭い筆
鈴木さんは、全共闘世代のその後を描いた矢作俊彦の傑作『スズキさんの休息と遍歴』のモデルで、34歳のときに雑誌「NAVI」の創刊に参加。「性能だけでなく、文化としての自動車をとらえた」と読売に。還暦を過ぎてもその筆は、幅広く、鋭い。
サッカー日本代表についてのスポーツ用品メーカーの広告にも及ぶ。「応援しなければ日本人らしくないとか、雰囲気に同調しなければいけないとか、そこに息苦しさを覚える個人がいるんじゃないか」という言葉を読売が紹介している。
誰もが同じ方向を向くことの危険に待ったをかける勇気。まっさきにマスコミがやるべきなのだが、スポーツにせよ原発にせよ、どうも怪しい。もうすぐ五輪もある。「応援しなければいけない」と強要するようなムードに一つ水さす人がいてもいい。
(ジャーナリスト 高橋俊一)