階段に腰掛け、ギターを手に渋くキメている場面もあれば、背後の壁になぜか「ひきわり納豆みそ汁」の袋などを貼って部屋でくつろいでいる写真もある――ミュージシャン忌野清志郎さん(享年58)の素顔に焦点を当てた写真集『SOUL 忌野清志郎』(集英社、3570円)が2012年6月26日、発売された。
1991年、ロックバンドRCサクセションの活動を休止した直後の清志郎さんが、ブラックミュージックの聖地である米メンフィスやニューオーリンズなどを旅した様子を「ノーメイク・ノースタイリング」で撮影したものだ。月刊誌「PLAYBOY日本版」の企画で、清志郎さんの「旅日記」とともに92年に掲載され、話題となった。今回は、当時未公開だった写真も含め、112ページの作品(A4変形判 ハード)にまとめた。
撮影は、デヴィッド・ボウイの「HEROES」ジャケット写真などで知られるカメラマン鋤田正義さん。派手な衣装のステージ上の清志郎さんだけではなく、「この写真集に刻まれた、着飾ることのない素のままの彼」という「ふたつの『忌野清志郎』」と身近に接することができたとして、「僕の大切な記憶と財産になっています」とコメントを寄せている。
清志郎さんは2009年5月に亡くなった。3年経った今も日本の「キング・オブ・ロック」として支持を集めている。
出版関連イベントとして、「『SOUL 忌野清志郎』(撮影・鋤田正義)"素顔のキヨシロー"写真展」が、青山ブックセンター本店(東京・渋谷区)で、7月9日まで開かれている。