減税こそ経済成長への道
『所得税0で消費税「増税」が止まる世界では常識の経済学』
消費税を引き上げて税収を増やそうというのが民主党・野田政権の政策であり、自民党、公明党と交わした3党合意の基本的な考えだ。講談社の講談社+α新書『所得税0で消費税「増税」が止まる世界では常識の経済学』(著・相沢幸悦、880円)は、これとは逆の考え方に立つ。
景気が低迷しているときは、増税ではなく減税によって消費を拡大し、景気回復を図るのが本来の経済政策で、そうすれば自ずと税収増につながり、財政赤字は増えず経済は成長していく。そのためには、所得税をゼロにして、消費税を基本食料・日用品の1%程度に減税することこそ必要だと説く。たしかにデフレのいま、消費税を上げても税収は落ち込むという議論もある。だが、そのように、うまい具合に経済成長は可能なのか。