近年消費者の間で高まっているのが、「コストパフォーマンス(コスパ)」への意識だ。アイシェアが2012年6月19日発表した調査結果によると、この言葉を認知している20~60代の男女1204人のうち、実に94.2%が買い物の際「コスパ」を意識しているという。
コスパ=「機能と性能」「使い勝手」
コスパを「強く意識する」割合が高かった商品の1位は住宅(46.5%)、2位が自動車(40.9%)となり、いずれも高額商品だった。具体的に意識するポイントには「機能や性能」「使い勝手のよさ」を挙げる人が多く、たとえば自動車では「機能や性能」が57.9%、「使い勝手」が43.1%でトップ2を占める。
そんな中で多くの消費者から好評だったのが、プチ家電、プチぜいたくグルメ、プチスイーツといった近年流行の「プチ商品」だ。余分を削ぎ落とし、必要な要素のみを圧縮する――そんなコンセプトを実に71.8%が「コスパが高い」と支持していた。
消費生活アドバイザーの和田由貴さんはこうした「プチ」人気の背景として、かつての「ハイスペック」信仰、また一時期の「安かろう悪かろう」の風潮を経て、消費者が高品質かつ相応な価格・サイズのものを求める「必要十分」という意識の向上を指摘する。
専門家は「プチバン」に注目
プチ商品の中でも和田さんが2012年のヒットを予測するのが、ミニバン的要素を盛り込んだコンパクトカー=「プチバン」だ。
「ミニバンより小さいけれど、使い勝手や機能はそのままの高コスパ商品であるとして注目を集めています。今後は、トヨタやホンダなど各メーカーがプチバンを続々と投入する予定という情報もあり、今年ブレイクする兆しを見せています」