サービス「期待通り」半数割れは、日本と仏のみ
一方、「過去1年でサービスに腹を立てた経験がある」とした日本人は49%と欧米諸国に比べ高い割合で、また日ごろ受けている顧客サービスが「期待通り」だという人も46%に留まる。11か国中、半数を切ったのは日本とフランスのみだ。
こうした数字について、青山学院大学経営学部の小野譲司教授は、日本では定時で発着する鉄道など、高いレベルのサービスが日常的に提供されているため、「消費者が企業に求めるサービス水準が他国に比べて高い」ためだと分析している。これは「おもてなし」以来の伝統的なサービス観ともつながっているといい、
「日本企業はベースとなる規範的期待の高いハードルに、さらに上乗せしていかに差別化できるかを競っている、とも考えられる」
と指摘する。少々の「高いレベル」のサービスでは日本人は満足しないため、ビジネスで勝機をつかむには、「卓越したサービス」の提供が必要だというわけだ。
なお今回の調査結果を発表したアメックスでは自社の取り組みについて、顧客との良好な関係構築や、「顧客視点」の実践などに努めているとしている。