「ご近所の日パーティ」を初体験
5月半ば頃、斜め裏の家のご主人から、「裏道で『ご近所の日』パーティを開くので、ぜひ参加を」をと誘われた。金曜夜より集まりやすい日曜の昼に開催する、という。実は私にとって「ご近所の日」パーティは初体験。パリの中心まで電車で30分の郊外に住んで6年、今まで周辺で「ご近所の日」パーティをやっているのを見かけた覚えがない。近所付き合いはおおむね良好で、道で会えば挨拶するし、ヴァカンス前は留守にする旨を伝えたり、庭でとれた野菜やくだものをお裾わけし合ったりしているので、あえてパーティをする必要がないのかと思っていたが、単に言い出しっぺがいなかっただけらしい。
さて、「ご近所の日」パーティは正午に始まり、車が通れないようにガードフェンスを置いた裏道で、周辺10軒くらいの家族が、大人、子ども、ティーンエイジャーまで合わせて約50人が参加した。各々キッシュ、ピザ、サラダ、サラミ、チーズなどを持参、鶏の丸焼きを持ってきた人もいたし、庭が道路に面している家は屋外用鉄板焼き機まで持ち出した。飲み物はワインにビールにジュース、デザートは手作りケーキやフルーツが並んだ。
フランス人は余興がなくてもおしゃべりだけで、十分パーティの間が持つ人種だが、この日は子どもたちが、マイケルジャクソンのダンスを披露し、何とお開きは夜の8時近くだった。もちろん、14時くらいに退散する人もいれば、16時頃、のんびりやってくる人もいる。途中、家に帰りしばらくしてまた戻って来る人もいるというフランスならではのアバウトさだ。
翌日、参加者の一人と道ですれ違ったが、挨拶する時の顔が、心なしかいつもよりにこやか。「ご近所の日」パーティは、連帯感を高める効果あり、かも。
江草由香