メディアに登場しないもうひとつの青春
『非選抜アイドル』
AKB48は高校野球に似ている。ベンチ入りできない大勢の控えの選手がいるように、メディアに登場しない何十人ものメンバーがいる。小学館101新書の『非選抜アイドル』(著・仲谷明香、735円)は、「選抜」の一員になれなくても頑張り抜いたメンバー仲谷自身によるもうひとつの青春体験記である。
中学の同級生だった前田敦子がメンバーになったと知って、オーディションを受け2006年に3期生としてAKBに入ったが、シングル曲を歌う機会はなかなかやって来ない。スポットライトはいつも隣の席に当たった。そんな「非選抜」だった彼女も今回の総選挙で初めて36位に入った。「普段の生活でも日の目を見ていない人が、この本を読んで自分も頑張ろうと思ってもらえたら」と語っている。