「カネ・コネ・修行」なしで夢実現 人気店シェフが明かす「ビジネス成功のレシピ」

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   東京ミッドタウンの新和食レストラン「HAL YAMASHITA 東京」などの成功で知られる「エグゼクティブオーナー シェフ」山下春幸氏が、マネジメントのノウハウを本にまとめて公開し、「(情報を)お召し上がり下さい」と勧めている。「レストランにはマネジメントのすべてがある」と、ビジネス書としての「味」にも自信たっぷりだ。

   2012年6月7日に刊行された『レストランは小さなビジネススクール』(アスコム、1575円)の筆者山下氏はかつて、大手飲料メーカー勤務の後、「カネなし、コネなし、修行なし」の状態からシェフを目指すことを決めた。いわばゼロからのスタートを切ったわけだ。

虎の巻「山下ノート」もとに物語風に展開

『レストランは小さなビジネススクール』
『レストランは小さなビジネススクール』

   勿論、失敗も経験した。山下氏は、そうした失敗の中から学んだことや気づいたことをノートに書き留めており、いつしか自身で「山下ノート」と呼ぶ「成功への虎の巻」に仕上がった。

   今回の書籍は、この「山下ノート」をもとにした「実践的ビジネス書」で、「読むだけでMBA(経営学修士号)」とうたっている。とは言え、難しい専門用語が並ぶわけではない。文章には「味付け」がしてあり、筆者の分身である主人公「山岸圭」らが登場するケーススタディの物語仕立てになっている。会話部分も多く、「初めて銀行に開業資金を借りに行き、あっさり断られる」場面などが、臨場感たっぷりに描かれている。

   筆者の山下氏は現在、5月22日に開業した東京スカイツリーの「東京ソラマチ」正面入り口に「TOP TABLES」を出店し、自身初の「ファミレス」に挑戦中だ。本書のプロローグも、登場人物である「テレビ番組制作会社社長」が、主人公が営む「TOP TABLES」の店の前で、なにやら思いを巡らす場面から始まる。

   その後、「マーケティング戦略」や「人材マネジメントのポイント」などの章立てに沿って展開する、レストランを巡る「物語」を追いながら、読者は自分が主人公になった気分で、資金繰りや経理、社員教育、営業などのマネジメントについて学ぶことができる一冊になっている。

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