かつて原発を選択した「私たち」のできること
保守論壇が作られ、労働運動が圧殺され、カリスマ経営者が称揚される。
原発の「安全神話」を守るため、異を唱える意見をすべて潰し、そのために安全が度外視されてしまったという逆説。そして招かれた福島第一原発事故という破綻は、日本の戦後を通じて着々と準備されていた――。
本書は膨大な取材を通じて、巨大権力が人間の尊厳を嘲笑してきた歴史を暴き、一方でそれに抗して立ち上がった人々の姿を描いていく。
かつて「排除」と「支配」を選択してきた「私たち」自身が、今度こそ真っ当な選択をするために知るべきこととは何か。400ページにそれらが凝縮された、まさに企業研究の「決定版」と言える書である。