自宅で映画やドラマを見ようと思うとこれまでは「レンタルビデオ店」以外に選択肢はなかったが、近年ではさまざまな形態の映像配信サービスが登場している。
サーベイリサーチセンター(東京・荒川区)が2012年6月7日発表した調査結果からは、その「勢力図」の変化の兆しがうかがえる。
1万円以上の延滞金経験者も
調査はレンタルビデオや映像配信サービスなどを普段から利用する15~69歳の男女523人を対象に実施された(複数回答)。これによると現在利用しているサービスとしては「レンタルビデオ店」が70.6%と依然トップで、「無料映像配信サービス」(40.0%)などに大きな差を付けた。
一方でレンタルビデオ店のサービス内容に「不満は特に感じない」とした人は5.4%に留まり、「返却が面倒」(66.1%)、「見たい新作が貸し出し中」(62.9%)といった声が多くの利用者から挙がった。また「延滞金」で痛い目を見たという経験者も26.6%に上り、中には1万円以上を支払ったという人もあった。
拡大が見込まれる有料動画配信
こうした中、拡大が見込まれるのが有料の動画配信サービスだ。現時点の利用率こそ「有料VOD」が16.8%、「有料携帯動画コンテンツ」が5.4%だったが、将来的に利用したい、とした人はそれぞれ57.9%、39.6%に上った。
視聴機器においても、テレビ(80.5%)の牙城にPC(74.8%)が迫るとともに、46.1%がスマートフォン、44.6%がタブレット端末を「今後視聴に使いたい」と回答するなど、これからの視聴環境の変化をうかがわせる結果となった。