世の中わからないものだ。スーパーなどでも目にする一見なんの変哲もないソーセージが、じつは知られざる「究極」だったりする。仙台勝山館の「手づくり無添加ソーセージ」は、あのグルメ漫画「美味しんぼ」に登場したソーセージのモデルである。
「美味しんぼ」に登場、完全無添加は今も
主人公の山岡士郎があるときビアホールで、50年ぶりにビールとソーセージを味わおうとする男性と知り合う。彼は夫婦の幸せを願かけして、なんと50年も大好物を断っていたのだった。しかし男性は出てきたソーセージに満足できなかった。そこで山岡はわざわざ仙台に向かった。お気に入りのソーセージをつくる「勝山」に協力を仰ぎ、本物の特製ソーセージをつくってご馳走したというエピソードだ。
ソーセージには通常、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤、リン酸塩などの結着剤、卵白などのつなぎ、保存料、化学調味料といったものが使われている。美味しんぼのソーセージはこれらを一切使用せず、「本物」の原料だけでつくったものだった。
漫画で取り上げられたのは、もう20年以上も前のこと。しかし勝山はいまでも漫画さながらの完全無添加ソーセージを市販しており、ちょっと高級なおいしい地方産ソーセージとして定着した感がある。百貨店の食品売り場やスーパーでもたまに見かける。
東京・池袋の宮城県アンテナショップ「宮城ふるさとプラザ」でも、奥まったところに主力の「あらびき」(451円)「ピュアプレーン」(451円)「黒豚100%」(577円)を置いていた。いずれも1パック3本(115グラム)。ほかに、ちょっとめずらしい「一味唐辛子」「粕漬け」味もあり、勝山オンラインショップなどで買える。