2008年からの3年間で市場を10倍以上も拡大、好調が続く「ノンアルコール飲料」。このうち「カクテルテイスト」「チューハイテイスト」の「ノンアルコールRTD※」市場でトップを走るのが、「のんある気分」を販売するサントリー酒類だ。(※RTD=レディ・トゥ・ドリンク。缶入りチューハイやカクテル類)
好調の背景には何があるのか。サントリー酒類・スピリッツ事業部RTD部の酒巻真琴さんに話を聞いた。
ノンアルは「我慢」から「楽しく」へ
そもそも「車に乗る前などに、我慢して飲む」というイメージが強かったノンアルコール飲料だが、「それだけの用途ではここまでの市場の広がりはなかった」と酒巻さんは語る。
「むしろ最近では『お酒は飲みたいけど、今はちょっとな……』と躊躇するタイミングでも、ノンアルコールで気軽に『お酒の気分』を楽しみたい、というポジティブな消費が増えていて、それが市場拡大につながっています。そしてこうした変化とともに、『ビール味だけではなく、カクテル味やチューハイ味のノンアルコール飲料も飲みたい』という声が出てきたんです」
サントリー酒類ではこれに応えて2011年10月、カクテルテイストの「のんある気分」を発売した。2012年1月~4月の累計出荷数は99万箱(250ml×24本換算)でノンアルRTDとして首位(酒販ニュース調べ)、年間では300万箱の出荷を見込む。その強みは、アルコールだけではなく、カロリーと糖類も含めた「3つのゼロ」を実現したことだという。
「のんある気分でカロリーや糖類をセーブした分、食事を楽しめたり、夜遅くでも気にせず飲めたり……。お酒を飲むことを躊躇したり、カロリーのことを考えたりといった『ガマン』から開放してくれる『3つのゼロ』が、消費者の支持を集めていると考えています。これは『3つのゼロ』でご好評いただいている、ビールテイストの『オールフリー』も同じですね」