甘みのないミルクキャラメルのよう
奈良の吉野杉でつくられたという木箱のなかには、四角い茶色の固まりが鎮座している。原材料は生乳100%。見たところは、キャラメルやクッキー菓子のようだ。口にすると、ねっとりとしつつ、全粒粉のクッキーのようなザラリとした感触が残る。薄味のチーズのようであり、甘みのないミルクキャラメルやミルクジャムのようでもある。
濃厚な味に慣れている現代人の舌には、プリミティブで物足りなくも思えるが、まだ甘味を濃縮できなかった古代人は、蘇に含まれる乳の甘みを非常に喜んだらしいという。
そうしたエピソードを知って、いにしえの宴席に思いをはせたりすれば、舌の上の「味」以上の味わいと感慨が深まるかもしれない。蘇はそんな歴史グルメな一品である。
商品名:古代の蘇
製造:ラッテたかまつ
サイズ:50グラム
価格:1050円